遺影は、自治体の分別ルールに従えば、ごみとして捨てることができます。捨てたからといって法律に触れることはなく、宗教的に禁じられているわけでもありません。
一方で、長く手を合わせてきた故人の写真を、ほかのごみと一緒に出すことに抵抗を感じる方は少なくありません。この記事では、ごみとして出す場合の具体的な手順と、捨てたあとに後悔しないための考え方をご紹介します。
遺影はそのまま捨ててもいい?
遺影は故人の写真であり、扱い方に法的な決まりはありません。ご自身で処分すると決めたなら、それはひとつの正しい選択です。
ただし「そのまま」捨てるのはおすすめしません。遺影は多くの場合、ガラス付きの額縁に入っています。額縁ごと出すと分別ルールに合わないうえ、ガラスが割れて収集する方がけがをするおそれもあります。また、故人の顔が見えたまま出すことに、あとから気持ちが追いつかなくなることもあります。
ごみとして出す場合の手順
写真と額縁を分ける
まず、額縁の裏ぶたを外して写真を取り出します。額縁は、ガラス・枠・裏板などの部品に分けておきましょう。古い遺影では、写真が台紙に貼られていたり、ガラスに貼り付いていたりすることがあります。無理にはがすと破れてしまうため、ゆっくり作業してください。
写真は紙に包んで可燃ごみへ
写真は、多くの自治体で可燃ごみとして出せます。白い紙や封筒に包んでから出すと、顔が見えず、気持ちの面でも区切りをつけやすくなります。地域や家庭の習わしとして、包む前に手を合わせる、少量の塩で清めるといったことをされる方もいます。決まった作法ではないので、ご自身が納得できる形で構いません。
額縁・ガラスは自治体の区分に従う
ガラスと枠を分ければ、多くの自治体で不燃ごみ・粗大ごみとして出すことができます。ガラスは新聞紙などで包み、「ガラス」と書いておくと安全です。枠は木製・金属製・プラスチック製など素材によって区分が変わり、大きなものは粗大ごみになることもあります。お住まいの自治体の分別表で確認してください。
なお、ご自宅の庭などで写真を燃やすことは、法律や条例で制限されている野外焼却にあたるおそれがあるため避けましょう。
捨てたあとに後悔しやすいケース
遺影は一度手放すと取り戻せません。次のような場合は、少し立ち止まって考えてみてください。
- ほかに同じ写真が残っていない:遺影には、その方らしい表情の写真が選ばれていることが多く、元の写真が見つからない場合もあります。
- ご家族に相談していない:あとから「欲しかった」と言われ、気まずくなることがあります。
- 気持ちの整理がついていない:片付けを急ぐあまり、心の準備ができないまま手放してしまうと、心残りになりやすいものです。
後悔しないための判断ポイント
迷ったときは、次の3つを確認しておくと安心です。
- 写真を残す手段を用意したか:スキャンやスマートフォンで撮影してデータを残しておけば、必要なときに焼き増しできます。小さなサイズで作り直す方法は「遺影を小さくする方法」で紹介しています。
- ご家族の了解を得たか:ひと声かけるだけで、後々の行き違いを防げます。
- ごみとして出すことに、自分が納得できるか:少しでも抵抗があるなら、供養という方法を検討してみてください。
捨てるのに抵抗がある場合の方法
「ごみ袋に入れるのは忍びない」と感じる場合は、寺院での供養やお焚き上げを選ぶ方が多くいます。菩提寺に相談するほか、郵送で受け付けている供養サービスもあります。それぞれの方法の特徴は「遺影の処分方法5選」で比較しています。
おもいで供養便では、額縁から外したお写真をご郵送いただくだけで、提携寺院にて僧侶の読経のもとご供養し、お焚き上げいたします。お写真1点3,000円(税込・送料別)です。外した額縁は、上でご紹介した方法でお手元で処分していただけます。
よくある質問
- 遺影を捨てるとき、お祓いや魂抜きは必要ですか?
- 必ず必要というものではありません。位牌や仏壇は閉眼供養(魂抜き)を行ってから手放す考え方が広く知られていますが、遺影の扱いは宗派や寺院によって考え方が異なります。気になる場合は、菩提寺に相談してみてください。
- 額縁が付いたまま供養に出してもいいですか?
- 依頼先によって異なりますが、ガラスや金属は焚き上げられないため、写真のみを受け付けるところが多くあります。おもいで供養便でも、かならず額縁・写真立てから外し、お写真のみをお送りいただいています。
- 捨てたあとで後悔したら、どうすればいいですか?
- データや別の写真が残っていれば、写真店で焼き増しや遺影の作り直しを相談できます。手元に何も残っていない場合は、ご親族が同じ写真を持っていないか尋ねてみるとよいでしょう。
まとめ
遺影は、写真と額縁を分けて自治体のルールに従えば、ごみとして捨てることができます。写真は紙に包み、ガラスは割れないように包んで出しましょう。
捨てる前には、写真のデータを残すこと、ご家族に相談することをおすすめします。そのうえで少しでも抵抗が残るなら、供養して手放すという方法もあります。